うたかたの日々

仕込み
『先読みできる!情報力トレーニング 』松尾順/監修の献本が
編集プロダクションの担当者から届く。ありがとうございます。
第2章:会社の情報と第3章:数字のカラクリのライティングを担当した。
奥付に名前が出ている。

全体を眺めてみると、新書サイズだが、中身が濃い。で、850円。
情報を「「検索」から「解析」へ」。そのためのノウハウが満載。
新書戦争ゆえ棚をある程度確保するには、毎月まとまった冊数が必要。
店頭フェイス数の確保、拡大。CVSのお菓子と本が同列とはね。

外出はしないようなので、くしゃみをしながら、
引き続き、仕込み作業。
合間に『まんがと生きて』わたなべまさこ著と
『悪党の金言』足立倫行著を併読中。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-28 16:44:33

春夫讃
『僕の読書感想文』近田春夫著を読む。おもちろい。
作者の言を拝借するなら「トイレで読むのにぴったり」。
電車の移動にもいい。一駅、一レビュー。
ぼくは、古いファンの一人で、音楽もそうだけど、
『POPEYE』に連載されていた歌謡曲コラムなんざ、うなったものだ。
現在、週刊文春連載の「考えるヒット」も、ああそうかと、うならせられている。
なんだろ、音楽では時代の嗅覚というのか先読みがすごくて、
で、一般ウケしなかった。玄人(ギョーカイ)ウケする人なのだろう。
久世ドラマの『ムー一族』とか出てたし。
最近は『タモリ倶楽部』で見かけるが。

音楽評論から文学評論(本人に言わせりゃ感想文)に入ったといえば、
最近では佐々木敦がいるが、同様に、自由で、ノリがよく、
時たま、すごいフレーズがあったりする。
ベストセラーはなくて、ほんとに、そこらにあった本を
ひょいと読んで、勝手な感想を書いている。
なんだけど、鼻が利くのだろう。
吉田健一もケータイ小説も、きちんと自己査定している。目利き。
ウソじゃない証拠に、シビれた一箇所引用。
「'80年代の終わりとともに、我々が放棄してしまったのは、
効率の悪い情熱だった気がする」

コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-27 17:23:48

文章検索のすすめ
遅ればせながら、「武田シンポジウム2009」のメモ。

ぼくがいちばん面白かったのは、(株)創知の中村達生の講演(敬称略)。
お題は「情報ネットが作る新しい知」。
まあ社名がすべてを表しているんだけど。
調べものというと、検索エンジンですぐサーチしてしまうが、
情報の洪水に遭ってあっぷあっぷしていないか。
演者は「無意味なブログ、無数のコピペ情報などで肝心の真偽検証を
怠っていないか」と。
また、「検索リスト上位の内容が「正しい」とは限らない」
それは「検索上位は入力した言葉がたくさん入っているページ」で、
すなわち本当に知りたい「キラリと光る情報は上位にヒットしない」と。
はてぶなどを一時期熱心にチェックしていたが、
大抵は時間のムダに終わることが多くて、なるほどと思った。

知りたい情報を時短でたどり着くには、どうすればいいのか。
それはおなじみの「キーワード検索」じゃなくって「文章検索」だと。
「文章をそのまま入力」して検索すれば、いいと。
演者は「概念検索」といっているが、
ぼくも、最近、この検索スタイルも取り入れている。

この延長線上にあるのが、「「検索」から「解析」へ」だと。
大事なのは、「検索」ないだろ、「解析」だろ。
で、「「解析」には俯瞰性と客観性が不可欠」だと。
物事を把握するには、全体を俯瞰しなければならないと
ヴィトゲンシュタインも述べているし。
ぼくに企画書づくりを指導してくれたディレクターは、
フレームワークから入ると言っていた。同じことだ。

演者がいう「俯瞰解析」は、
「PCが情報整理と検索」+「最後の読み込みは人間」というシステム。
実際、何ができるか。たとえばM&Aを検討する際、
互いの会社でどの分野で特許出願をしているか、
件数が多ければ、そこが強みとなる。
ドットマッピング化することで「可視化」、一目瞭然となる。
多くが重なっていれば、キャラがかぶっていることになり、
理想的なのは、互いが補完しあっている関係だとか。
これが1枚の図でわかるのは、すごい。



コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-26 17:01:48

書き言葉
小雨の中、九段下へ。
九段会館を背にパレスホテルを抜けて。
新宿から引っ越した制作会社で
オリエンのような、打ち合わせのような。

『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ著の感想メモ。

「ソクラテスはなぜ書き言葉の普及を非難したのか」
「文化的記憶を保存するうえで書字のほうが有利であることに議論の
余地はないことはわかっていても、それ以上に、個人の記憶力と、それが、
知識の吟味と具現化に担う役割とを保つことが重要だったのだ」

要するに文字のおかげで文化的情報が
大量複製、大量流通されるようになったと。
羊皮紙やパピルスから活版印刷の発明、
でインターネットやケータイメールで
どんだけ文字情報が氾濫しているのかと。

「文章を読むことに比べれば楽なインターネットのアクセスに
味を占めてしまった大勢の生徒たちは、自分の頭で考えるということを
まだ知らないのかもしれない。視野が狭まって、素早く間単に目と耳に
入ってくるものしか見聞きしないので、このコンピュータという最新の高性能な
箱の外でものを考えねばならない理由がないからである。
こうした生徒たちは、読み書きできないわけではないものの、
本物の熟達した読み手になることはまずあるまい」

「本物の熟達した読み手」になれなければ、
「本物の熟達した」書き手になれない、か。
ま、紋切り型。もうこういうのは耳タコで、
日本語及び日本文学を大げさに憂いている某作家先生と同じで。

「書記言語を習得できない」ディスクレシア(読字障害)についても言及している。
「エジソン、ダ・ヴィンチ、アインシュタイン」から確かトム・クルーズも。
字が読めない=知的障害ではないわけで、これはなかなか。

この本の出版プロデューサーの解説に目をひく箇所があった。
「英語と中国語をともに使えるバイリンガルが脳梗塞になった際、中国語は
読めなくなったが、英語は読めていた。−略−
私たち漢字仮名を用いる日本語の読み手は、アルファベットと漢字をそれぞれ読むのに
近い異なる脳の回路を併せ持っているのだという」

英語はアルファベットの組み合わせだけど、漢字は表音文字と表意文字。
ややこしいったらありゃしないんだろうね。

先日の「武田シンポジウム2009」で長谷川眞理子が、
ネット社会の弊害は書き言葉依存症的発言をして面白かった。
言葉はシンプルな文字の連なりなので、メールなどでは相手が見えない。
実際に会えば、言葉もさることながら表情(ボディランゲージ)で、
伝わる、わかるものがあると。

ブログが荒れたり、炎上するのも、匿名で書き込めることよりも
案外、書き言葉だからというのもあるだろう。
ソクラテスの言ってることも一理ありかなと。



コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-25 17:04:53

お礼と報告


とりあえず週末からかかっていた提案書を仕上げて、朝イチで送る。
微修正後、担当者よりOKが出る。

栗山光司さんが、bk1に拙著『Webクリエイターになる!? 』 の
レビューを書いてくれました。ありがとうございます。
http://www.bk1.jp/review/0000472895

電通発表「2008年日本の広告費」によると、
右肩上がりだったWebも、どうやらリーマンショック以降の不況のあおりを受けたそうで、
伸張が鈍化してきたとのこと。広告に限れば全体のパイが縮小気味ゆえ、仕方ないことだろう。
巨象は困るが、小回りのきく知恵(悪知恵?)のあるリスザルは困らない。
正攻法じゃなくてゲリラ戦。ってことなんだろ。漠然としているが。

『先読みできる!情報力トレーニング 』松尾順/監修が、発売となった。
第2章:会社の情報と第3章:数字のカラクリのライティングを担当した。
情報はともすると収集するだけで満足しかねないが、
そこから、どう自分なりに咀嚼するのか。要はそっちだと。
R-25世代をターゲットに、クイズ形式で手短にスキルがわかりやすく得られるというスタイル。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-24 16:20:48

土曜日、バスで
午前中、打ち合わせで西新宿、成子坂まで行く。
短時間でオリエンテーションと世間話と病気自慢をして
28階を降りる。ここのエレベーターがシースルーでだめなんだ。
お土産(仕事の)をどっさりもらう。
帰りは、前から乗りたかったバスにする。
平日でも本数が少ないし、今日は土曜日。
バス停留所で時間を確認して、
昼食のカツ丼をかっこんでバスを待つ。
青梅街道は、いろんな思い出が記憶の地層化して染み込んでいる。
ただし、高円寺ぐらいまで。
中野坂上、駅前の高層ビル。まだ殖えそうだ。
オリンピックがまだあった。
ここで買ったスヌーピーの皿は、まだ使っている。
宝仙寺の入り口あたりは変わっていない。
鍋屋横丁、東高円寺。時折見える古い店と新しいチェーン店。
山本政志監督の『ロビンソンの庭』のロケ地に使われた蚕糸試験場。
かつては広大な廃墟だったが、いまは公園になっている。
もう一回見たくなる。
環七へ左折する。
降りますボタンを親の敵のように何度も押すおばちゃん。
立正佼成会の異形な建物が目を引く。
後にいた中学生二人はにぎやかにゲームをしていた。
こんなに長くバスの乗るのは久しぶりだ。
と、いっても正味40分ほどだけど。
田中小実昌じゃないけど、バスでふらふら行くのが好きで、
仕事で地方へ行って時間があるときは、バスに乗った。
土曜日の環七はそんなに渋滞していなく、
窓からは光がさんさんと差し込んでくる。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-21 16:50:26

ようやく
以前金融関連のマニュアル制作の仕事で
ご一緒だった人から
「本が出ました」メールの返事が来る。

>高田馬場の芳林堂書店、Webコーナーに
>平積みされていたのですぐにわかりました。
>カバーの見返しにカラー写真入りでしたね。

「平積み」とは、感激もの。

動き出した仕事にようやく取りかかる。
簡単な紙面構成からかかる。
ここをきちんとしておかないと、あとで苦労する。

『おかしな時代』津野海太郎著、ほぼ読了。
花田清輝の美しい原稿が見られる。確かに。
ブローティガンの翻訳者藤本和子の出会い、
「新日本文学」での長谷川四郎、
植草甚一、片岡義男、小林信彦の出会い。
演劇では、佐藤信、岸田森、草野大悟などなど。
有能な編集者は、才能ある面々をくっつける
磁場をつくりだす何かがあるようだ。
原石と原石の化学反応を促進させる触媒ともいえる。
ペーパーセメントなんて言葉も久々に目にした。
ぶきっちょでいい加減なぼくには、
到底写植の切り貼りはできないと思ったもの。
『おかしな時代』は、おもしろい時代でもあった。
いまとて十分に『おかしな時代』なのだが、意味合いがかなり違うぜ。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-19 17:04:36

チョーハルキ
村上春樹の「エルサレム賞」受賞スピーチは、ネット上で賛否両論のようだが、
ぼくは作家としては、立派な抵抗だと思う。
卵を引き合いに出していたが、卵は意外なことに上からの圧力には強いのだ。
ただし、横からの圧力には脆いのだが。外圧よか内部崩壊。
このあたり、いろいろ使える比喩じゃなかろうか。
流暢な英語でスピーチをする村上春樹。
ぼくのイメージには、安西水丸の似顔絵が
アイコン化されているので、映像で見てなんかびっくり。
タモリが街中を歩いていて女子高生から「チョータモリ」とか言われたそうだが、
そんな感じ。

昨日は三茶へ。今日は、税務署へ。自転車で。
にしても花粉症の目のかゆさ、鼻のつらさ。1ヵ月前倒しだよな。

『おかしな時代』津野海太郎著、読み出す。
黎明期から最盛期へ向かうアングラ、サブカル。隔世の感。
黒テントと晶文社など、いったい作者は編集者として
これまで何足のワラジをはいてきたんだろう。
直近の日本のGDPが「年率12・7%減、35年ぶり大幅ダウン」らしいが、
35年前にぼくはサイのマークの晶文社の単行本や『宝島』を読み始めたんだ。
『ワンダーランド』から『宝島』への大人の事情による名称変更や
その前の『ワンダーランド』が『ローリングストーン』日本語版として
発刊される予定だったというのもはじめて知った。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-18 16:47:05

苦笑
妻が録画しといた『くたばれハリウッド』を見る。
売れない二枚目映画俳優から映画プロデューサーに転進し、
−ハリウッドのラストタイクーン、ザナックの感化−
一時代を築いたロバート・エヴァンズの自伝映画。
当時の映像や写真、記事などを編集して、
テンポの良いドキュメンタリー。
グレタ・ガルボの住まいを自邸にしたが、
その庭園やプールの美しさは、この世のものとは思えないほど、美しい。
山あり、谷ありのプロデューサー人生、プロデューサー稼業。
ナレーションも当人だそうで裏映画史としてめっぽう面白い。
詐欺師的資質は不可欠のようだが、
ほんとうに詐欺を働いた某音楽プロデューサーとは違って
あくまでも映画畑に踏みとどまって
金のなる木という作品を手がけ続ける。
結局は、金脈よりも人脈という凡庸な結論の帰結するのだが。
詳しくは、ここへ。

Monthly Feature:ロバート・エヴァンズ in『くたばれ!ハリウッド』

仕事がウェイティング状態なので、確定申告用の経費の集計などをはじめる。
リアルな数字に、苦笑、ちくしょう、がんばりましょう。ってとこ。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-16 16:02:38

花粉症
昨日の春一番とともに花粉症が発症したようだ。
目がかゆくて、うるうる、くしゃみも連発。
バレンタインデーなので、Perfumeの「チョコレイト・ディスコ」を。

『無能力批評』杉田俊介著と
『ミッキーマウスのプロレタリア宣言』平井玄著を読む。
どちらも個人的体験が色濃く反映されていて、私小説のように読んでしまう。
前者は労働<生存という図式つーか大前提のもと、吐露されている。
後者は、新宿二丁目のクリーニング店に生まれた作者の半生をもとに、
都市、労働、音楽(ジャズ、さらにいうならフリージャズ)などが記されている。
30代と50代、年代の隔たりはあるが、生きづらさには変わりはない。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-14 17:29:14

赤ちゃんと
昨日は、久しぶりに藤沢の義兄宅へ。
姪夫婦の子どもと対面。
喃語を盛んに話し、つかまり立ちをする。
子どもが生まれる前から飼われているシーズー犬は、
宴会をしている間は、テーブルの下を巡回。
どうやらおこぼれを期待しているようだ。
みかんを落としたら、またたく間に平らげた。
赤ちゃんがいるのは、いいものだ。
そのほっぺ、手足、ふわふわした髪。
もう10数年前のことになってしまった。

夕食は、駅のそばにある中華料理店で。
横浜中華街で15年修行した、が謳い文句らしい。
15年とは、ちと中途半端だという気がしないでもない。
さんざんごちそうやらビールや紹興酒を飲んでいるんだけど、
料理はどれも美味だった。
そこの女将がたぶん中国の人で、
「子ドモ、カワイイネ。デモ、今日帰ルノイイ。
泊トマルノダメネ」
「子ドモ、面倒ミル、疲レル。店、ヤッテタ方が疲レナイ」
などはっきりした物言いが面白かった。
赤ちゃんは、粉ミルク派らしく、ぐびぐびミルクを飲む。
飲み終えたら哺乳ビンをぶん投げてしまった。
いらなくなると投げ捨てる。ハーポ・マルクスのしぐさに似ている。
って、逆か。

帰りの電車でケータイでサッカーWC 日本VSオーストラリア戦の
途中経過を見る。隣のカップルはワンセグで眺めていた。
結果、ドローか。家で見なくてよかった。不満が残るだけだもの。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-12 10:11:56

なんだ神田
朝イチでかつて手がけたPR誌の当該ページをスキャンして送る。
銀行に寄ってから神田まで。
地下鉄銀座線の神田駅地下街は、昔っからレトロだ。
万惣の出口から出て、ちょっと迷いつつ打ち合わせ先へ。
向かいの商店建築と思われるビルが崩落防止のネットで囲われていた。
見積競合だそうで、安いにこしたことはないが、
安すぎては儲からないという毎度のことで。
いくつになっても見積書くのが苦手で。
帰りは淡路町から神保町まで散歩する。

移動本は『小さな町』小山清著。何せ解説が堀江敏幸だもの、
それで手がするすると伸びた。
芥川賞候補になった「をぢさんの話」も良いが、
「離合」(師匠の太宰治が命名したそう)がしみる。
元左翼活動をして転向して古本屋を営んでいる女性と
新聞配達をしながら小説を細々と書いている男性との淡い恋。
二人の感情のすれ違い。ほぼ私小説なのだろう。
彼が住んでいた町は東京大空襲で喪失する。
戦後、夕張へ「炭鉱員」として働き、体を壊す。

『軋む社会』本田由紀著の鼎談者の一人、湯浅誠の発言がぴったしはまる。
「貧乏と貧困は違うというのが私の意見です。
お金がなくても豊かな人間関係を築いたり、しあわせに暮らしている
人はいくらでもいます」
「でも、そういった人間関係を含めた“溜め”がない人もいる。
金銭的な“溜め”(たとえば貯金)もないし、
人間関係の“溜め”(頼れる親族や友人)もない。−略−
そういった精神的な“溜め”を失っていくという状態が、
貧困ということだと思います」

「精神的な“溜め”」か。

コメント(2)| Track back(0) | 2009-02-09 21:21:57

風の強い日
風の強い日。図書館へ行く途中、2棟のマンションで引越しを目撃する。
そうか、もう移動の季節か。
先日、駅前の不動産屋で男子学生が数名、
物件を楽しそうに見ていたものな。

『酔郷譚』倉橋由美子著を読む。作者の遺作だそうで。
言葉自体は相変わらず硬質なんだけど、短いセンテンスで、
どんどん妖しい世界へ吸い込まれていく。
少ない言葉でよくもまあ深淵なる世界をつくれるものだ。
東西の幻想ネタがほどよく調合され、上質なカクテルのような作品。
友人に銀座の老舗のバーへ連れていかれて、
マティーニ1杯で、ふわふわしてしまった、そんな心持ち。
絵のモチーフになりそうなシーンが連続している。
遺作つながりで澁澤龍彦の『高丘親王航海記』をふと思い出した。
あちらは流離譚だけどね。
絵空事としての小説を堪能することができた。

初出が『サントリークォータリー』、どおりで。
Web連載なら、各編の巻末に、カクテルのレシピや
そのカクテルを飲ませてくれるバーの紹介とかすりゃいいいのに。
大きなお世話かもしれないけど。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-08 15:43:44

だらだらだらと
『ロボット学論集』瀬名秀明著の読書メモ-2。
だらだらだらと。

櫻井圭記との対談で廣松渉の『共同主観的存在構造』が出てくる。
懐かしや。その本より櫻井が引用した箇所を引用。

「遠隔的にあやつられる身体的自我とそれをあやつる能知能動体との
二重的存在の意識が既成のものとなり、
他者もそのような存在として了解する事態が生じたとすればその段階では、
第三者的に記述する立場から、他人が能知能動的主体として覚知されるに
至っている、と呼ぶことが一応は許されうるであろう」

難解な一文を櫻井はこう解釈している。
「(人形使いが−付記:ソネ)遠隔的にあやつられる他者である人形を、
本当に意のままに操れるような事態が生じたときには、
第三者的に記述する立場から見れば、その他者(人形)も主体的に
認識されるに至っているのではないかという話ですね」

それはシンクロしていることであり、一心同体ってこと。
「自我」の芽生えや主体性なのではないかと。
人形愛というフェティッシュモードがロボットだとどうなるのだろう。
イヌ・ネコが家族の一員ってノリなのか。
だとしたら捨てロボットだのホームレスロボットだのという話になるが。

「ぼくは小説の中で「クオリア」という言葉を使わないようにしているのですが、−略− 
ぼくは「記憶のタグ」みたいな感じで考えているのです」
「りんごの赤い感じ」のみならず、「齧ると、つぎの行動があって、時間的な経過が
あって、つながっていく感じがする」
「そこから次にくるストーリーは、ほんとうに体験したことでなくてもかまわない」

「記憶のタグ」とは素敵な言葉だ。属性や履歴ってことで
ほんとも、うそこも包含されている。

「たぶん違和感は、動物的な本能で自分の生存を守るというところから
発達した心の働きなんでしょう」
「ぼくたちは違和を感じたり、感じなかったり、創造性を発揮したりと、
違和の感覚を操ることで社会の中で生きていく能力を備えているのです」

「動物的な本能」や「違和感」は、リテラシーってことなのかな。
金子みすずの詩のフレーズみたいに「みんな違ってみんないい」ってことかも。
ただし差異と差別が同じ土壌にあることを忘れないようにしないと。


「今後のロボット学はむしろ本来の哲学にも似て、さまざまな科学/技術分野と
コラボレートしつつ自在に領域を跨ぎ、行き来し、融合と発散を繰り返すのではないか」

昔流行った身体論がロボット学じゃ義体論としてリニューアルオープンするようだ。
この本で作者は和辻哲郎や市川浩を取り上げているもの。

コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-06 15:06:09

だらだらと
『ロボット学論集』瀬名秀明著の読書メモ-1。
だらだらと。

「私たちはロボットを通して自分自身を知るのである。
ロボットは<私>というものを私たちの内面から掘り起こし、
顕在化させるという希有な特徴を持っているのだ」

自分は、自分で見ることができない。よって他者を投影させて、他者経由で
見えてきた自分を自分だと認識する。
さまざまな関係性で、さまざまな自分像というものが浮かび上がってくる。
ラカンいうところの鏡像、ぶっちゃけ、ガマの油状態とでもいえばいいのか。
いままでは、人は、人(他者)を対象にすればよかったが、
ロボットというものが現れた。
そこから、新たな自分、人間像が見えてくる。

有名なアシモフのロボット工学の三原則があるが、
「なぜロボットは人間に危害を加えてはならないのか」
などは、もろ倫理学の永遠の課題であるわけで。
もっとうがった見方をすれば、支配−被支配で、
金持ち−奴隷が、ブルジョア−プロレタリアアートになって
人間−ロボット、
あるいは経営者−非正規社員(外国人含む)、ロボット(産業用ロボット)という
図式も見えてくる。
『鉄腕アトム』などにもロボットの反乱が出てくるが、
それは永遠に人間に搾取され続ける運命を呪う。
学習能力がバージョンアップすれば、そうなるのだろうか。
ヒューリスティクス・アルゴリズムとでもいえばいいのか。
さだかじゃないけど。

「人間の脳にはテンプレートを見抜く能力があって、
身のまわりの出来事をテンプレートと照らし合わせながら観察している」
「人工知能に予測をさせることは難しい−略−
一方でぼくたちは知らず知らずのうちに
自動化し、半ばロボットとして生きているわけです」
習慣化、規範ってことか。ワンパターンでいいとこはワンパターンで。



コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-05 17:00:36

決まった
12月に原稿書いて、1月にびっしりと直しを頂戴して
修正稿をまとめた某社のビジネス新書が
校了したとのメールを編プロの担当者からもらった。
そのうちぼくは計2章分を担当。監修者にお礼のメールを入れる。
2月下旬発売予定。書影がアップされたら、紹介をば。

引き続き、切った貼ったワークに全精力を注いでいるので、
本関係は、まとまらない、まとめたくない。
寝床で気晴らしに
『神器 軍艦「橿原」殺人事件 上』奥泉光著を読んでいる。

昨日、子どもが志望校に推薦入学が決まった。
当人もびっくりとか。試験は水物。レモンは果物。あなたは獣。
ま、めでたし、めでたし。
で、とーちゃんであるぼくは、稼がにゃあかん。
「父ちゃんは、日本一の日雇いフリーコピーライター」と、
面接のとき、言ったかどうか。言わない。星飛雄馬じゃないもの。


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-03 16:28:35

行ってよかった
昨日は午後から『武田シンポジウム209』へ。
嵐のような天候なので一瞬止めようかとかと思ったけど、行ってよかった。
ぼく的には、ためになるシンポジウムだった。メモは、まとまれば、後日に。

一昨日夜は、『TV朝日開局50周年記念・50時間テレビ・今夜だけ!タモリ倶楽部スペシャル』を見る。
はじまった時は、ぼくは独身の会社員で、同僚とほどほどに飲んで
アパートで『タモリ倶楽部』を見ていた。雨も激しいので、当時を偲んで一人酒盛りをする。
当ては、『おじいさんの綴方 河骨 立冬』木山捷平著。
お目当ての『河骨』は、偶然新宿のフルーツパーラーで再会した男女が
終電の中央線を逃して、成り行きで旅に(結果として)出て、温泉宿に投宿する。
さてその結末は…。作者にしては長いもの。
作者は飄々としたユーモアや人生の機微などをとらえて評価されているようだが、
なかなかどうして、モダンな人生喜劇で、粋なんだ。
時代設定を江戸時代にすれば古典落語にもなるし、
欧米に設定を変えればニール・サイモンあたりも真っ青の芝居になるだろう。

参考までにkhipuに載せているぼくのレビュー。
『木山さん、捷平さん』岩阪恵子著


コメント(0)| Track back(0) | 2009-02-01 15:58:56